袴田京太郎展――人と煙、その他――

平塚市美術館、2014年4月19日〜6月22日
現代作家個展、自主企画単独開催
鑑賞日:5月6日(火)

形作ることを望みながら、その形というものに対する不信。世の中のあらゆるものに形があるというのに、そして新たな形を作ることなど非常に容易いはずなのに、形を形として成立させることに抵抗がある。不定形で状況によって形が変わる、そもそも状況のように形を有しない、現象だとしてもある形が伴ってしまうものだが、そのような形を作ることは可能か。何のために。状況を生みだす形と形の関係、その関係を形として提示する。何のために。形は切断され、その切断面において関係を主張する。もしくは接合において関係を明示されている。その形は何と関係するのか。関係の不可能性を示すためではなく、切実に関係を希求しているのに、形は孤立して乱立する。内部の構造として見える、それこそが形の根拠となる、関係性は、不信と不安定のみを露わにする。

袴田京太朗作品集

袴田京太朗作品集