小野ハナ展

コバヤシ画廊、2021726日〜87

現代作家画廊個展

鑑賞日:84日(水)


定まらない。位置も視線も対象も。すべてが揺れ動き、その関係も変化する。関係の変化が、もっとも手に負えない。自分がなにを基準に立ち、見ているのかがわからなくなるからだ。基準があれば、自分や対象の変化や振幅も対応できる。それは自分の内部の問題だから。関係が突然変わると、対象が対象でなくなり、想定外のものと関係を結ばざる得なくなり、立ち位置も視線も定まる間もなく、また関係が別のものへと移動していく。この変化のために心身は疲弊してしまうのだが、それはなにか定まっていることを求めるからだ。定まっていて欲しい。しかし、今は思い通りにはならない。仕方がないから、変化を観察する。受け入れるつもりはない。変化を常態と嘯くつもりもない。できることは観察だけなのだから、観察をして、記録を残そう。記録を分析する間もないことはわかっているが、それは後のことであり、私は今なお変化の只中にいる。だから記録を録り、積み重ねていく。