山田哲平個展「The Dawn」

TAKU SOMETANI GALLERY202074日〜726

現代作家画廊個展

鑑賞日:712日(日)


形のないものに、形が見えてしまうようになったのは、いつからだろう。常に姿を変える波。その海の表面の現れかた。その姿は静止画として把握できないことはわかっているが、ある日、その姿を固体として、時間が止まったものとして、別の何かに作り変える可能性がある素材として、目の前に存在していることに気づく。海と波は形を持っている。自分に必要なのは、形を支えている時間だ。その時間は計り知れない。自分が今ここに立っていることと、今どこかの海岸線で波しぶきが立っていることとは、繋がりがあるから。その時間を把握するために、そっと波に手を入れる。形が定まらないことを感じつつ、新たな姿へと置き換える。それは海の内側に入ることなのか。内側から外を作り直しているのか。そこから導き出されているのは、時間。私が今ここに存在していることを担保するすべての時間。