青木野枝「微塵」

gallery 21yo-j202072日〜726

現代作家画廊個展

鑑賞日:710日(金)


軽く不安定で微細なものが、空間を満たしている。それらは、所々に塊を作り、また分散し、空間全体を形作ってもいる。微細なものは、漂ってはいても、重さを持つ。いつかは地上に降りてくるのだろう。地球の重力に抗って、もしくは重力と均衡を保って、上方に留まり続けようとはしても。一部は、さらに上方を目指す。上方を目指しつつ、その微細なものは、重さを主張する。地球の内部から生まれたという、出自を主張する。そのため、漂いつつ、空間を満たすことはない。空間を満たしてしまったら、その瞬間に重さは消える。重さは運動とともにある。だから微細なものは常に振動している。存在を主張するために。塊りつつ、バラバラであるために。光が振動を止めたとしても、それは一瞬のことだ。光に捕らえられた微細なものは、さらに重さを持って上方を目指す。密度を高めることで、空間の重力を逆転させる。地表ではなく空の一部であろうとする。

流れのなかにひかりのかたまり

流れのなかにひかりのかたまり