二木直巳展ーー眺望と構造ーー

ギャラリエ・アンドウ、2015年4月7日〜4月18日
現代作家画廊個展
鑑賞日:4月15日(水)

定められたルールは線の内部に存在する。そのルールを外れることはなく、線は引かれる。引かれるのは結果としての姿であって、線は自ら進み自ら止まる。彷徨うことはなく、すべては予定通りだ。その線は奥行きを求めて進む。そして進められる。奥行きが平面上に設定されていないなか、線は奥行きを求め進むことで奥行きをつくりだす。層を形成せず線と線は一体化する。その時線は粒子へと分解し、線の姿を失いつつ、面となることを拒否して、平面に止まる。そこにあるのは絵画の奥行きである以前に、物質の質量が持つ、粒子の重なりとしての奥行きが、顕在化した姿なのだろう。上部に引かれた線は、ガイドでありアリバイである。帯もガイドでありアリバイである。この二重の工作と線の領域の関係が遠近となり、奥行きを出現させる。