phono/graph -音・文字・グラフィック-

神戸アートビレッジセンター、2015 年 3 月 21 日〜4 月 12 日

現代作家ユニット個展、自主企画単独開催
鑑賞日:4月5日(土)

形態として解体できないものから、形式として付与された意味を取り除く。形体としての全体性を破壊することができないから、その認識性を排除してゆく。それは要素の還元ではなく、新しい意味の付与、元となる形態や形体や形式をベースにしてそれからの変化を了解事項とした、となる。しかしそれは解体破壊したものを再生してはならない。解体と破壊の姿を止めることで、解体と破壊に新しい意味を与える。意味を剥ぎ取った偶然の断片の集積を提示し、そこに新たな意味を明示せず、意味の発生を示唆することも同じである。そこに介在する、機械的なと形容されるであろうシステムと反復によって成立する、手法の恣意性こそが、この行為に作者という存在が確立されていることの保障となる。複数のシステムと行為の同時的な存在が、その単一である作者性を覆い、システムの優位を導く。そのシステムはシステムの網のなかを漂い、場所との距離を保ったまま、宙吊りとなっている。