松浦寿夫企画連続個展 Météore – 1 鷲見和紀郎「考える月」

gallery 21yo-j2019125日~1222

現代作家企画、現代作家画廊個展

鑑賞日:1219日(木)


存在はある形態を保持し、そして緩やかに崩れていく。その表面が進行しつつある崩壊の一瞬の様相。存在の崩れを、その時間的推移を、仮の形として、物体に置き換える。その選ばれた物体がかつて、さらにこの先に所有するべき存在と消滅までの時間が、作品の現れとなる。そのために表面は磨かれなければならない。とはいえ、その磨くことは研磨のみを意味しない。まったく異質な物質をいわれなく塗布されることも含まれてしまう。その布置も孕んだ磨くという行為の目的は、表面を異化し仮の表面を纏わせることで、物体がかつてあったという事実から、今あるという存在へと移行させるためだ。その移行をさらに如実に示すために磨くという行為は、さらに拡張される。変形と組み合わせによって、物体はまた新たな時間軸のなかに設置され、表面は硬直し、崩壊は内部で緩やかに進行する。