スティーブ・ビショップ "What Would It Be Without You"

TALION GALLERY、2017年1月14日〜2月12日
現代作家画廊個展
鑑賞日:2月2日(木)

花嫁なき独身者は、ただ部屋に佇む。孤独とは一人でいることではない。一人でいることは充実している。世界と自分とが等価であるから。それはパースペクティブの問題でもある。世界の把握の仕方の視点の違いとも言えよう。とはいえ、それはマクロとミクロの違いなのか、それとも着眼点の違いなのか。それはともかく、花嫁なき独身者は、過不足のない生活を送る。花嫁がいなくとも、世界は満ち足りている。そもそも花嫁とは何の比喩なのか。そしてまた私は独身者ではない。孤独と孤立の間で、世界は充足する。他者は不在であることが、存在の証となる。私は存在することで、不在を証明する。その不在は偽りの独身者として花嫁と交信する。互いの不在を確認するために。