三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館

渋谷区立松濤美術館、2017年10月7日〜11月26日
現代作家による企画展、共催:読売新聞社、美術館連絡協議会
鑑賞日:10月12日(木)

作品は作品として完結した、閉じた世界を体現していることは、自明としてあるのだが、作品はそのもの以外の有象無象と関係づけられていることもまた、事実としてある。その作品とその関係を視覚化する場として展覧会がある。であるならば、関係を拡大し、作品のみならず作者も孕んだ関係に渦のなかで、作品個々の問題を見直すこともありえるだろう。そのためには他者が必要となる。そしてその他者には偶然を要求することになる。なぜなら自分の問題を解き明かすためには自分にとって必要なストーリーだはなく、自分の予期せぬ何かによって始まる関係性が必要だからだ。そのセッションをプロデュースした時に、実は、自分が消えていく。関係の糸のなかで、いくつかの結び目が生まれていく。作品は結び目の一つであり、糸の一つとなる。その糸は、見る人との関係を始める糸でもある。

三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館

三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館