日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン

パナソニック汐留ミュージアム、2017年4月8日〜6月25日
現代建築企画展、共催:朝日新聞社
鑑賞日:6月8日(木)

モダニズムというものは日本のためにあると、日本は勘違いするのではない、といった詩人がいたというが、日本のモダニズムは、モダニズムではなく、どこまでもバナキュラーな佇まいを孕んでしまうものだろうか。空間の受容はあらかじめ身体化された意識のなかで行なわれ、そこで趣味の形成もされる。白い壁と広い室内のバリエーションのなかで、建築家と施主が関係を持ち、意思の疎通をすればするほど、家は要塞となり、街から飛び立つ宇宙船となる。その宇宙船が社会革命の端緒となることを否定はしないが、そこから生まれる革命はどこへ向かうのか。そもそも革命なぞ目指していないのだから、初めから周囲に影響を及ぼすことは念頭になく、ただ都市という盤上に小さな白い石、あるいは黒い石を置いていく。革命には時間がかかる。ゆっくり進めば良い。そこには確実に幸せがカタチになっている。社会のルールを変えることへの関心は、後ほど伝えることになっている。

日本、家の列島

日本、家の列島