パナソニック汐留ミュージアム、2014年10月25日〜 12月26日
近代海外物故作家回顧展、共催:朝日新聞社、企画協力:ホワイトインターナショナル
鑑賞日:12月9日(火)
オリジナリティなんてありえないことがわかっているから、過去を参照する。参照すべき過去は、目の前のリアルな問題として存在しない。過去を編集して捏造することにしか創造はない。幸い過去は豊富にある。参照すべきものも手に余っている。では、現在から限りなく遠い過去を探そう。現実の生活の目の前にも過去は溢れている。ということは、初めから私は現在に存在するのではなく、過去の集合体のうえに存在している。それに気づいた時、現在と過去は等価でしかない。未来へ向けて意思を表明することを期待されても、私の現在に未来はない。そして、過去は私自身の過去でもあるから、過去を参照することは、私を参照することでもある。私自身の過去をリメイクすることも、オリジナリティの不在を規範とした現在において、なんら躊躇することもない。その自己反復のオリジナリティは、いずれ誰かが価値付けるだろう。
- 作者: 峯村敏明,多木浩二
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1986/05
- メディア: 大型本
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