日本の民家一九五五年―二川幸夫・建築写真の原点―

パナソニック汐留ミュージアム、2013年1月12日〜3月24日
国内現存作家個展、単独開催
鑑賞日:2月17日(日)

写真が記録するのは生活か、様式か。人の営みは、個人の生活を築くのか。共同体の様式を築くのか。人の営みの痕跡。まさにその瞬間も続けられている生活を、記録するとき、その記録は現在に属し、過去に属する。その現在に向けられた視線は、その歴史を含めた過去からの時間を精査し、その時間を様式として認識する。しかし、その生活を取り囲む風景は。景色は。人の営みを比べものにならないほどの時間を有した大地は、記録された時間が、その撮影過程にしても、その被写体に属する時間にしても、一瞬でしなかいことを物語る。その一瞬でしかない人の営みを永遠にするために、撮影するというのか。

日本の民家一九五五年〈特装版〉

日本の民家一九五五年〈特装版〉