山本糾 光・水・電気

ギャラリー・ハシモト、2014年4月18日〜5月17日
現代作家個展
鑑賞日:4月22日(火)

反射するものと吸収するもの。動くものと動かないもの。動いているはずの物体が静止しているかのように、影として吸収され定着する。広い空を、文字通り縦横無尽に、埋めつくし動き続け止まるということのない大気は、不在。足元に満ちたゆたい、大気と同じように、留まるということを知らず、時には、大気へと還る海は、非在。揺らぎ震え続けているはずの世界が、止まることはないはずなのに、全ての振動が一致してしまったかのように、相対的には完全に静止したとでもいうのか。その相対性は影のなかにある。反射が作りだした、煌めかず眩いこともなく、ものをものとして伝えつづける影。静止という運動を捉えるために、多くの人が気づこうとすらしない微細な運動に全身を浸し、自らが影となる。

落下する水

落下する水