国立民族学博物館コレクション ビーズ・イン・アフリカ

神奈川県立近代美術館 葉山、2012年8月4日〜10月21日
共催:国立民族学博物館
国内他館所蔵民俗資料展、単独開催
鑑賞日:10月10日(水)

太陽の光を大地が吸収する。草木も吸収する。動物も吸収する。そして、人の肌も吸収する。日差しはあまりにも直接的で、肌を刺し、物体として認識される。夜になると満天の星々に大地は覆われる。その空は凝縮した個々の光からなるものだった。光の粒と同化することが、世界と同化することとでもいうのだろうか。光の粒と思われるものを手にした時、それは聖なる世界の欠片と、その眼に映ったことだろう。さらに言うならば、世界の欠片を手にするという物語を編み出し、その物語を生きることを選びとったに違いない。世界の欠片である光の粒を身に纏う人物は、世界の似姿となる。世界から放り出された哀れで裸の人間ではなく、世界の一部である光の粒として振る舞う物語のなかで、新たな世界が構築されていく。光の粒から光の意味が抜け落ち、物体としての粒に関心が移っても、世界は揺るがず、大地には変わらぬ光が降り注いでいる。