竹内義郎 「appearance あなたが視ているところのもの」
Otherwise Gallery、2024年7月12日〜8月10日
現代作家画廊個展
鑑賞日:7月20日(土)
描く対象は描くということだが、描いた瞬間に形象が現れる。形象を描きたいのではない。描きたいだけだ。描くということを表現したいだけだ。他のものはなにもいらない。というときに、描くということの根源へ向かう回路が現れる。何かを描くのではなく、描くことを描き続けたために。描くことは、結局、祈りでしかない。陳腐なようだが、実は、描くということはそれほど抽象的でも哲学的なことでもないのかもしれない。そこに根拠はないのだから。理念的な根拠が失われた地平に原初が現れる。抽象ではない、とても具体的なものとして。生の痕跡が。生者である私が死を前にして、その死を記録するように。この先もさらなる死と出会えるように。私が生き続けるために。描く筆と絵具を操作する。描いているということを説明しないとならないために。そして形象は饒舌になっていく。言葉を発しはじめ、意味を帯びる。それは絵画とは別の世界の言葉だ。