八反田友則展

ギャラリイアートポイント、2016年7月18日〜7月23日
現代作家画廊個展
鑑賞日:7月21(木)

絵画というものはなんであれ、浅い奥行きを持った物質でしかない。そこに何が描かれているかの問題ではなく、描かれたものによって何が発生するかの問題でもなく、ただ、描かれたものは描かれたものに過ぎず、ものは物体であるということを証明する。それでもなお、描かれた物質から物質以外にものを他者が読み取ってしまうがために、物質によってその発生を押し止めなくてはならない。そのため物質は執拗に画面へと固着し、異物も巻き込み、つややかな光を発する。光は物質からそれ以外にものをかき消すための装置ではあるが、それは新たな現れのために必要な要素でもある。だからこそ、物質は垂直方向と水平方向におなじような力をはっきし、浅い奥行きと想像上の拡がりを抑制する。絵画は、一つの物質としてそこにある。