MOTアニュアル2016 キセイノセイキ

東京都現代美術館、2016年3月5日〜5月29日
国内現代作家グループ展、自主企画単独開催
鑑賞日:4月16日(土)

あらかじめあるとされているものを問うていくことで、あるとないの差が明らかになるだろう。その予測においてあらかじめあることを、秩序だて系統だてて羅列し、ひとつづつ検証をする。その検証の行為は、愚鈍とも鈍重ともいえる、非生産的な行為に見えてしまうものではあるが、検証という作業が愚鈍であり鈍重であるのだから、正当であることの現れでもあるのだろう。
その問いが検証に値するものかどうかは、検証されない。常に検証の結果が結果として提示され、受け取られていく。検証によって派生すべき事柄も明示されない。必要なことは検証であって、それ以外のことではないのだから。検証によって本来の問いである、なにごとかの有無は、確認されることなく、体験へと解消されていく。体験の繰り返しを蓄積として、新たな有無が発生する。