藤本壮介展 未来の未来

ギャラリー間、2015年4月17日〜6月13日
現代建築家画廊個展
鑑賞日:5月20日(水)

どのようにしても空間は発生する。というよりも、人間は常に空間を見出してきた。どこにでも空間を発生させることができると言い換えられよう。その空間の意味は何か。空間とは形態ではなく、人間の振る舞いようがその主体ではないのか。空間が振る舞いを規定して久しい。それは空間が機能を表現しているがために、人間が空間の機能に準拠するからに他ならない。では、振る舞いが規定する空間の形とは何か。それは自由という名のヴォイドではないだろう。空間に存在するものと人間との関係が発生することによって、初めて空間は意味を持つ。関係は偶発的なものであるが、一度発生した関係は規範として作用する。その空間の有り様をニュートラルに保つには、常に新しい関係を発生させる空間となることが求められる。しかし、それもまた消費の一形態でしかない。関係は持続し、そして更新される。その時空間はニュートラルではなく独自の意味を持つ。

"Sou Fujimoto Architecture Works 1995-2015