野村和弘展

gallery21yo-j、2014年10月2日〜 10月19日
現代作家ギャラリー個展
鑑賞日:10月10日(金)

行為を変換する。芸術表現という行為を、どのレベルを変換するのか。無為、無益な、奇跡的なラッキーが舞い降りることがある労働。プログラム設定後の半自動的な所作。想像しうる芸術表現の媒体を他の素材に置き換えたアナロジーの創出。変換という手法を現前化するために行為は存在する。
変換後に現れた表現は、変換以前という仮定を持たず、変換後という認識も持たず、向き合うことが可能となる。その見えない変換というシステムは、芸術表現の最も基本的、かつ、それ以上でもそれ以下でもない行為でしかないにもかかわらず、変換は創造という言葉に置き換えられ続けている。創造とは変換でしかない時に、変換によってなにが創造可能か。変わるべき、換えるべきものを創造するのではなく、変わること、換えることを作り出す。
変換の必要性を問うことも、変換によって為されなければならない。そのために変換という行為は持続され、その行為は変換され続ける。