画家の詩、詩人の絵−絵は詩のごとく、詩は絵のごとく

平塚市美術館、2015 年9月19 日〜11月8 日
近現代美術館テーマ展、共催:美術館連絡協議会、公立館4会場共同企画巡回
鑑賞日:10月4日(日)

ある伝わらない想いを、伝わらない方法で表現する時、その方法の正しさを確認する術はない。なぜなら伝わらないことが前提であるため、伝わるということの検証ができないからだ。伝わらないためにさらに自己を研ぎ澄まし、より直接的に、かつ、迂回的に、表現は成り立つ。その表現を検証するためには、もう一つの伝わらない表現を平行させる必要がある。決して交わらない、方法の違う表現を対置することで、伝わらないものの道筋が目えてくることを信じる。もしくは、道筋を自ら設定する。それは、似たところがあったとしても同じものではなく、別の表現でしかありえないが、だからこと二重であることの意味が発生する。その並列から現れるものは、もはやそれぞれの表現ではなく、ある不可視の道筋、それは作者の思想とも離れた作品間の文脈から派生する、が作者の意図を超えた作者の生を示す。

画家の詩、詩人の絵 - 絵は詩のごとく、詩は絵のごとく

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